転職で会社の年収を比べるときの見方

転職先の年収を比べるときは、平均年収の金額だけでなく、平均年齢・平均勤続年数・従業員数をいっしょに見てください。平均年収は「その会社の従業員全体の平均」なので、年齢が高い人や勤続の長い人が多い会社ほど高く出ます。持株会社かどうか、グループのどの会社に入るのかも確かめる必要があります。
このページの要点
- 有価証券報告書の平均年間給与は、提出会社の従業員の平均で、平均年齢と平均勤続年数とあわせて記載されています。
- 国税庁の令和7年分民間給与実態統計調査では、男性の平均給与は勤続30〜34年で838.0万円と、勤続1〜4年の437.1万円の約1.9倍です。
- 当サイトの集計では、従業員1,000人以上の上場企業750社の平均年収の中央値は749.0万円で、全体の中央値661.6万円より高くなっています。
- 2026年3月期以降の有価証券報告書では、平均年間給与の対前事業年度増減率で、前の年からの伸びも比べられます。
平均年収だけで比べてはいけない理由
有価証券報告書の平均年間給与は、提出会社の従業員の平均で、賞与を含む金額です。開示府令は、提出会社の従業員について、従業員数・平均年齢・平均勤続年数・平均年間給与をあわせて書くよう定めています。この4つは、セットで読むための項目です。
国の統計を見ても、年齢と勤続年数で給与は大きく変わります。国税庁の令和7年分民間給与実態統計調査で、1年を通じて勤務した男性の平均給与は、勤続年数によって次のように違います。
| 勤続年数 | 男性の平均給与 | 女性の平均給与 |
|---|---|---|
| 1〜4年 | 437.1万円 | 284.2万円 |
| 10〜14年 | 585.2万円 | 343.4万円 |
| 20〜24年 | 726.3万円 | 420.1万円 |
| 30〜34年 | 838.0万円 | 500.9万円 |
同じ会社でも、平均勤続年数が20年の会社と5年の会社では、平均年収が同じでも中身が違います。中途で入る人の年収は、平均より低いところから始まることもあります。
チェックしたい項目
有価証券報告書の「従業員の状況」で、次の項目を確かめてください。
| 項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 平均年齢 | 自分の年齢と離れていないか。平均年齢が高いと平均年収も高く出やすい |
| 平均勤続年数 | 長いほど年功的な給与の伸びが平均に入っている。短い会社は中途入社が多いこともある |
| 従業員数 | 数十人の会社は、少数の高い給与で平均が大きく動く |
| 持株会社かどうか | 持株会社は本社機能の少人数の平均。実際に働く子会社の数字を見る |
| 平均年間給与の対前事業年度増減率 | 2026年3月期以降の報告書に記載。前の年からの伸び |
| 臨時従業員の外書き | 臨時従業員が相当数いる会社は、その平均人数が従業員数とは別に書かれる |
| 男女の賃金の差異 | 女性活躍推進法で公表している会社は記載がある |
2026年2月20日公布の改正開示府令で、2026年3月31日以後に終わる事業年度の報告書から、平均年間給与の対前事業年度増減率が加わりました。持株会社は、従業員数が最も多い子会社(最大人員会社)の平均年間給与なども書くことになりました。子会社に応募するときは、この最大人員会社の欄が参考になります。
会社の規模で平均年収はどれくらい違うか
国の統計では、規模の大きい会社ほど平均給与が高くなります。
- 国税庁の令和7年分民間給与実態統計調査では、資本金10億円以上の株式会社の平均給与が692万円、資本金2,000万円未満の株式会社が416万円でした。
- 厚生労働省の令和7年賃金構造基本統計調査(6月分の所定内給与額、一般労働者)では、大企業(常用労働者1,000人以上)が月38万5,100円、中企業(100〜999人)が32万6,200円、小企業(10〜99人)が30万5,600円でした。
当サイトが有価証券報告書から集計した上場企業3,766社でも、従業員数で分けると差が出ます。
| 提出会社の従業員数 | 社数 | 平均年収の中央値 |
|---|---|---|
| 100人未満 | 952社 | 650.9万円 |
| 100人以上1,000人未満 | 2,064社 | 637.4万円 |
| 1,000人以上 | 750社 | 749.0万円 |
100人未満の会社が100人以上1,000人未満の会社より高いのは、持株会社など従業員の少ない会社が含まれるためです。平均年収が1,000万円以上の246社のうち81社は、従業員が100人未満でした。
比べる金額の種類をそろえる
年収の数字は、どこに書かれているかで中身が違います。比べる前に、同じ種類の金額かどうかを確かめてください。
| 数字 | 中身 |
|---|---|
| 有価証券報告書の平均年間給与 | 提出会社の従業員の平均。賞与を含み、税金などを引く前の金額 |
| 国税庁 民間給与実態統計調査の平均給与 | 1年間の給料・手当と賞与の合計。通勤手当などの非課税分を除き、税金などを引く前の金額 |
| 厚生労働省 賃金構造基本統計調査の賃金 | 6月分の所定内給与額。残業代や賞与を含まない月給 |
求人票の「想定年収」や「月給」が、賞与や残業代を含むのかどうかも会社によって違います。月給だけで比べると、賞与の多い会社を低く見てしまうことがあります。
平均年齢・勤続年数で並べて比べる
当サイトの集計で、提出会社の平均勤続年数ごとに平均年収の中央値を出すと、次のようになりました。
| 平均勤続年数 | 社数 | 平均年収の中央値 |
|---|---|---|
| 5年未満 | 601社 | 647.2万円 |
| 5年以上10年未満 | 859社 | 611.6万円 |
| 10年以上15年未満 | 941社 | 657.4万円 |
| 15年以上20年未満 | 1,145社 | 701.9万円 |
| 20年以上 | 219社 | 679.9万円 |
平均勤続年数が5年未満の会社は、新しい会社や中途採用の多い会社、少人数の持株会社などが混ざるため、まとまった傾向はありません。5年以上20年未満では、勤続が長い会社ほど平均年収の中央値が高くなっています。会社の平均年収を比べるときは、業種や規模が近い会社どうしで比べるのが基本です。
業界別の平均年収ランキングで同じ業種の会社を並べ、上場企業の平均年収ランキングで平均年齢と勤続年数も見比べてください。最後は求人票や面接で、職種・等級・賞与の条件を確かめてください。
あわせて使えるページ
参考にした資料
- e-Gov法令検索 企業内容等の開示に関する内閣府令(第二号様式・第三号様式 記載上の注意)
- 金融庁「企業内容等の開示に関する内閣府令及び特定有価証券の内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」等の公布及びパブリックコメントの結果について(2026年2月20日)
- 国税庁 令和7年分民間給与実態統計調査 調査結果報告(PDF)
- 国税庁 令和7年分 第13表 事業所規模別及び勤続年数別の給与所得者数・給与額(Excel)
- 厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査の概況(全体版PDF)
- 金融庁 EDINET閲覧(提出)サイト
内容は2026年11月7日時点で上記の資料をもとに確認しています。制度は変わることがあるため、手続きの前に公式の情報を確認してください。
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よくある質問
平均年収が高い会社に転職すれば年収は上がりますか?
必ず上がるとはいえません。平均年収は従業員全体の平均で、入社する人の年齢・職種・経験で実際の提示額は変わります。
平均年齢が高い会社は平均年収も高いですか?
傾向はありますが一定ではありません。当サイトの集計では、平均年齢45歳未満までは平均年齢が高い会社ほど平均年収の中央値も高く、45歳以上では差が見られませんでした。
平均勤続年数は何を表していますか?
提出会社の従業員が勤めている年数の平均です。中途入社が多い会社や、できて間もない会社では短くなります。
有価証券報告書のない会社の年収はどう調べますか?
求人票や面接で条件を確かめるほか、国税庁の民間給与実態統計調査や厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、業種・規模・年齢ごとの水準を参考にできます。
このページを引用・参照するとき
出典の表記例:「転職で会社の年収を比べるときの見方|平均年齢・勤続年数も確認」年収くらべ(https://nenshu-kurabe.com/column/tenshoku-nenshu-hikaku/)2026-11-08更新
出典:EDINET閲覧(提出)サイト(https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)、公共データ利用規約 第1.0版(PDL1.0, https://www.digital.go.jp/resources/open_data/public_data_license_v1.0)。EDINET閲覧(提出)サイトの有価証券報告書をもとに年収くらべ運営者が編集・加工して作成。